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『さんぴんキャンプ復活』で当時を知るものとして思うこと

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『さんぴんキャンプ復活』で当時を知るものとして思うこと

どうやら20年越しに『さんぴんキャンプ』が復活するようですね。

知らない人の為に、さんぴんキャンプをサラッと説明。

当時の日本のHIOPHOPシーンは、アンダーグランドであると同時に、いつ噴火してもおかしくない火山ような状態だった。

レコ屋には行列ができ、ライブでは会場がぐちゃぐちゃになるほどの盛り上がりを見せていた。

ファッションはもっぱらティンバにフード、ハットにハンチング。ウータンさがらのキッズたちが街を徘徊し、今思えばアンダーグランドという枠に収めるには限界が来ているような空気だったように感じる

そんな爆発寸前のマグマのようなエネルギーを、一夜にして見事なまでに全国に撒き散らしたイベント。

それが『さんぴんキャンプ』だ。

出演アーティストは、当時のB-BOYたちを熱狂の渦に巻き込んだ張本人たちほぼ全員。今となっては見かけないアーティストがほとんどだが、当時の人気はほんとうに凄かった。

メンツをチョット紹介してみる。

キングギドラ

ブッダブランド

シャカゾンビ

ランプアイ

ソウルスクリーム

ライムスター

YOU THE ROCK

G.K.MARYAN

MURO

TWIGY(欠席)…

今挙げたアーティストたちは、今回のさんぴんキャンプには出ないらしい。当時サンピンをリアルタイムで目撃した自分としてはかなりがっかりだが、同時にホッともしている。

あのメンツで、そしてあのタイミングでやったからこそ、伝説的なイベントになったわけで『さんぴんキャンプは時代に合わせて行われるような定期的なイベントではない』と思っているからだ。

 

そもそも、なんで伝説になったのかをまるでわかっていないと思う。



あの頃はインターネットなんかなかったから、地方のB-BOYはHIPHPOPの情報を現場と雑誌から拾っていた。一文字も見逃さないように雑誌の隅から隅まで穴が開くくらい読んだし、アーティストが地方にライブに来た時は何があっても足を運んだ。CDが売り切れで手に入らないなんて日常茶飯事だった。

情報がほしくても手に入らない状況に、全国のB−BOY達は欲求不満で爆発寸前。

そんなタイミングで開かれたのが『さんぴんキャンプ』だったのだ。

すぐにVHSで発売されたそのブツは噂が噂を呼び、驚異的な勢いで売れた。禁断症状でヨレヨレだった全国のHIPHOPジャンキーのもとに、リアルな上物のブツが届いたのだ。

当時のB-BOYはテープが擦り切れるほどそれを見た。なぜならそこには欲しくて欲しくてしょうがなったものの『全て』が詰まっていたから。

じゃあ今はどうなんだろう?

インターネットでいつでもHIPHOPに触れることが出来る。メディアにもラッパーが頻繁に出ている。曲なんて家にいながらワンクリックで買えてしまう。

そんな(恵まれた?)状況で、今旬なアーティストを一同に集めたからって、あの伝説の再現なんてできるのだろうか?

主宰者の意図はきっとこんな感じだろう。

『フリースタイルバトルが今世間でちょっとしたブームになっている。TVでやっている「フリースタイルダンジョン」も高視聴率。今HIPHOPがキテいる。サンピンをヤルならこのタイミングだ!』

思うんだが、今ブームになっているのはあくまでもフリースタイルバトルであって、HIPHOPではない。フリースタイルバトルはHIPHOP文化だけど、世間はそんなことまったく気にしてない。そんなとこにサンピンをもってきたってチョット違うんではないだろうか。



今の若い子は今回出演するアーティストが死ぬほど好きかもしれない。「お祭りだ〜!!」って大喜びしているかもしれない。

もちろん、こういうイベントでそういう子達を刺激するのは大賛成だ。

でも、さんぴんキャンプである必要は全く無いと思う。

言っちゃえば年取ってから再結成すバンドみたいなもので、あまりいいものではない。

当時のB−BOY達は間違いなく熱狂した。ありえないほどの熱で。

もし今回それを期待して開催するならがっかりすると思う。今はあの頃のように、ヘッズ達が熱狂するような土壌が残念ながらない。

これが当時を知るものとしての意見だ。

だが、予想を裏切ってくれることを密かに期待している自分がいることもたしか。

当時の生き残りとして、しっかり見届けようと思っている。

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