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HIPHOP

俺なりのHIPHOP論

ここ最近のフリースタイルダンジョンや高校生ラップ選手権に代表される、「フリースタイルバトル」の盛り上がりは目をみはるものがあります。

フリースタイルバトルといえば、正真正銘のHIPHOP文化。エミネム主演で映画にもなりました。

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自分は約20年HIPHOPにどっぷりの生活をしてきました。そんな自分からするとこの状況は嬉しい限り。

そしていい機会なので「俺なりのヒップホップ」というものを書いてみようと思います。



 

HIPHOPは少し特殊

HIPHOPは少し特殊

HIPHOPに興味を持った方がネットで検索すると色んな意見がでてきて、「どれを信じればいいのかわからない 」という人もいると思います。もちろんそれはしょうがないことで、ヒップホップ自体ちょっと特殊なんですよね。

特殊というのは、今のヒップホップにはこれといった外見的(音的)な定型がありません。使う楽器の種類から、ビートの構成、ファッション、その他諸々、何一つ「これがヒップホップだ」というものがないんです。(ファッション的には昔はありました)

それに、「メインストリーム」と「アンダーグラウンド」がガッツリ別れてしまっていて、「どっちが聞くべきHIPHOPなんだ?」といったどうでもいい疑問まで生まれてしまう状況です。

その反面、精神的な基準は存在します。それは「リアルやフェイク」といった言葉で、「ヒップホップであるか、ないか」が語られるという事です。

それはもちろん「不良がやるヒップホップがリアルで、オタクはフェイク」みたいな話ではなく、「そのアーティストに嘘がないか」が、「リアルとフェイク」「ヒップホップであるかないか」の判断基準という話です。例えば、

  • 不良でもないのにハードな曲やってればフェイク
  • ヒップホップ好きでもないのにヒップホップ調の歌やってればそれはポップミュージックでHIPOPではない
  • カッコだけの芯のない音楽やってればフェイクアスビアーッチ!

フェイクとはすなわち「ヒップホップではない」ということです。

先程言ったとおり、外見的(音的)な定型はありませんので、あくまでも「ヒップホップであるかないか」の判断基準は「精神的なもの」の話になってくるという訳です。

 

俺が思うヒップホップ

ちなみに「HIPHOPとは?」という問いに対しては、自分の場合もう答えが出ています。

ですが、「ヒップホップは音楽のジャンル」という目線で見ている人には、こっからは暑苦しい話でしかないので、ここでページを閉じた方がいいと思います。笑

ジャンルとしか捉えてないのもまた一つの答えであり、楽しめるのであればそれはそれでいいと思います。ただその選択は、曲の「雰囲気」でしかヒップホップを判断できないという結末にたどり着くしかなく、上っ面のヒップホップリスナーということになってしまうとは思いますが…

この先は、ヒップホップに対する思い入れの強さから生じるお話です。興味がある人だけ読んでください。

 

ヒップホップとは

HIPHOPは生き様

単刀直入に言えば「生き様」です。

ここで確信に変わった方もいると思いますが、ヒップホップとは先程言った通り「精神的なものを表す言葉」です。「あいつの生き様ロックだぜ!」と同じ意味です。

もちろん世間的には「音楽のジャンルの名前」として浸透していますが、私らに言わせればそれはあくまでも一般的にわかりやすく使われているだけで、その中には必ず精神的な意味も含まれています。

ここを飛ばしてヒップホップを語ってしまうと、「リップスライムはヒップホップじゃない」とかそういうお話にならないレベルになってしまうんで、かなり重要な部分だと思うんですがね。

もうちょっと突っ込んでいえば、「リップスライム」や「キックザカンクルー」といったグループは、あのスタイルが彼らのスタイルであり、彼らの生き様であるがゆえに、「彼らのヒップホップ」といって問題ないわけです。(もちろん彼らのバックグラウンドありきの話ですが。)

反対に、若気の至りとは言え「グレイトフルデイズ」以降、ジブラのスタイルを露骨に真似してしてしまったドラゴンアッシュのKJはフェイクであり、ヒップホップではないという訳です。公開処刑の対象です。(個人的にはバンド系の方か彼の魅力が存分に発揮されていて良かったのになぜコッチに来た?と思ってました)

 

▼ HIPHOP的生き様は映画の中で見ることが出来ます

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カルチャーとしてのヒップホップ

カルチャーとしてのヒップホップ

またHIPHOPとはカルチャーの呼称でもあります。

ヒップホップカルチャーの4大要素として、グラフティ、ブレイクダンス、ラップ、DJというものがあります。まあこれは説明しなくても大丈夫だと思うのではぶきますが、その他にも小さな文化がいくつかあります。

例えば「ディス」

先程だした「生き様」という明確な定義があれば、よほど変なことしなければ「人は人。みんなヒップホップじゃん?」て平和な文化になりそうなものですが、そうならないのがヒップホップの面白いところ。

ヒップホップとは「生き様」という定義が存在している以上、その人間の「ライフスタイル」すべてが自分を表現するヒップホップになるわけです。「いかなる時もケツを捲れない」というわけです。ですので、ラッパー間の作品以外の揉め事しょっちゅうです。

自分のスタイルを信じて突き進むゆえに、対局に位置する、もしくは自分の美学に反する相手を攻撃することがあります。これが今やすっかり日本ても浸透している「ディス」ってやつですね。(D.O.の功績)

今のお茶の間での「ディス」の使い方はお笑いのツッコミのテク的な使い方が一般的ですが、それは凄くいい事だと思います。実際自分も爆笑してます。

ですが、本場アメリカではディスからビーフに発展して、ラッパーが実際に殺されるという事が起きています。

当然避けるべき悲しい出来事だったわけですが、それほどまでに自分達のスタイルを守らなければ明日はないというギリギリの生き様が、ヒップホップの歴史を作ってきた一部分にあるというのは覚えておいた方がいいと思います。

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その他にも「フリースタイルバトル」であったり、「サンプリング」といった音作りの手法だったり色々あります。

 

「初心者にオススメ25選」について

先日「初心者にオススメ25選」という記事を書きました。

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「初心者に昔の曲勧めてどうする」という意見をいただきました。その後「HIPHOPおすすめ25選 番外編」でちょろっと書いてますが、もうちょっと掘り下げて書きます。

まず「なぜあのランキングにしたのか?」って話ですが、やはりルーツは大事だと思うからです。実際「あの曲達で今もアガるか?」って言われれば正直微妙な曲も混じってます。

ですが、ヒップホップには「外見的(音的)な定型」がない以上、ああいった時代背景を知っておかないと、本気でヒップホップを好きになりそうな初心者達が「フェイク扱いを受ける」という悲しい事態を招きかねないと思うからです。

ラップを真剣に好きな人達はシビアです。そこに入りたい初心者にはあの選曲はかなり有効だと思います。

ただ、クラブにもいかず家で聞いてる分にはあの曲達は必要ないです。

そういう人達は、自分の好みの、自分の思うヒップホップを聞いてればいいと思います。それも勿論ありだと思います。

それにもう一つ。ヒップホップにはディグルと言う文化もあります。サンプリングと言って、(例えば)昔のソウルやファンクの一節を抜き取ってそれぞれのトラックメイカーのセンスで料理して、新しい曲に生まれ変わらせるなんて手法があるですが、その際に完成曲の元ネタを探したりすることを「ディグル」といい。みんなの楽しみの一つだったりするわけです(普通にいい曲を探す事もディグルといいます。)。そういう感覚ってヒップホップ的でいいなあと思います。

そういう意味では、今は流行りのヒップホップから入っても全然いいと思いますが、ゆくゆくは私が書いたランキングを参考に日本のHIPHOPの歴史をディグっていってもらえれば当時の全容が見えて来て面白いと思います。

そういう意味でも初心者向けの記事といえると思うんですがね。私的には。

 

最後に

言いたいことをバババっと書いたので、文の構成とかデタラメだと思いますが、「俺なりのヒップホップ論」はある程度は書けたかな、と思っております。これを読んで「敷居が高い」と感じる人もいるでしょう。悪いですが、そういう人はヒップホップ向いてないんで、どのみちすぐ飽きると思います。

私がヒップホップに惹かれた理由は「熱」でした。

自分は90年代半ばのさんぴ世代ど真ん中です。当時のヒップホップの盛り上がり、ラッパー達の情熱、リスナー達の熱狂具合。どれもが最高でした。あれがなかったらここまでハマることはなかったと思います。

そして結局は「自分の肌に合っていた」これに尽きると思います。

ヒップホップは最高です。どっぷりハマればハマるほど面白いです。

クラブ通いもオススメです(正直に言えば必須だと思いますが…)。家で聞いてるぶんでも全然イイと思いますが、どうせなら現場に行きましょう。家で聞いているヒップホップが全く違うものになりますよ。センスも磨かれると思います。ヒップホップに対する理解度も家で聞いてるだけの人間の比じゃなくなると思います。どうせなら頭の先まで浸かりましょ!笑

 

最後に、私が印象に残っている話を。

「TOKONA-X(トコナエックス)」というラッパーがいました。

何かのインタビューで「ヒップホップとは?」という質問に彼は「BGM」と答えていました。最高にクールなアンサーだと思いましたね!

では。

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