「最新機種で高解像度の写真をパシャパシャ撮るのが最強でしょ」
そんな風に思ってる時期もありました。
でもこれはある意味正解で、ある意味間違いだと今なら思います。
いいカメラで撮った写真はど素人でもそれなりにカッコがつきます。もちろん照明などを使ってより素敵な写真を撮るとなるとそうはいきませんが、そこまで求めないならある程度はかっこがつくことでしょう。これは素人がそれなりにいい写真を撮るための正攻法でもあると思うんです。
でも問題なのは「その先がない」ということ。
カメラにおんぶに抱っこでは、その人の写真というより、「そのカメラの写真」といったほうがしっくりくる。
「私の写真」と言いたいのなら、設定もこだわり、画もこだわり、機種やレンズにもこだわり、さらに努力して写真やカメラというものを学ぶ必要があるな、そう思うんです。
出会いはインスタ
私はインスタをよく眺めているのですが、いつも手が止まるタグがありました。
「#leicam9」です。
ライカといえばカメラ界のキングといっても過言ではない超高級ブランド。少し前までは「カメラに100万とか意味分かんない」と思っていました。
ですがライカを知ろうと思った時に、その価格に正当性があるかは別として、何か特別なものを感じたのは確か。中でもMシリーズの「M9」に心をを奪われてしまった私は、M9の写真を見れば見るほど「あー俺もこんな写真撮ってみたい」という気持ちが日々強くなっていき、いつの間にか制御不能に。
もちろん以前から「こんな写真撮ってみたい」という感覚はあったし、好きな質感は大体「FUJIFILM」でしたのでFUJIのカメラを買ってパシャパシャやっていました。
ですがFUJIのカメラも凄いんで、簡単にそこそこの写真が撮れてしまうんですよね。しかも量産できてしまう。
満足できるのはいつも一瞬でした。
全てマニュアルで撮る面白さを知った
話は変わりますが、少し前にフルマニュアルの「Canon Ⅳ SB」という機械式カメラを購入しました。1953年製のカメラです。
今までも露出や絞りを触ることは普通にありましたが、フルマニュアルというものは初めて。しかもフィルム。デジカメのようにすぐに確認できない。
そんな不安の中一生懸命撮っていたんですが、意外や意外、すごく楽しい!
よく言われることですが、レンジファインダーを覗いて、一枚一枚設定を考えながら集中して撮ることがこんなに楽しいものとは思いもよりませんでした。この時初めて「マニュアル面白い!」そう思ったんです。
そしてこの体験がM9への呼び水になったのは言うまでもなく。。。
状態が良すぎるM9との出会い
一番の壁だったマニュアル撮影へのハードルも下がったこともあり、M9を色々なサイトで物色していました。
ただ、M9に惹かれる気持ちと相反して
- 約10年前のデジタルカメラ
- 話にならないディスプレイ
- WIFi機能がない
- 高い
これらに躊躇して、購入までは二の足を踏んでいました。
価格は安くて40万、高くて70万ぐらいでしょうか。もちろん40万というのは「それなりの品」で、お世辞にも「いい個体」と言えるものではありませんでした。
詳し方はご存知だと思いますが、M9に搭載されているCCDセンサーは少し問題があり、メーカーにて無償修理が行われていた曰く付き。それにセンサーなので当然寿命や劣化もある。交換したのが10年前とかそんなものに40万出す気はありませんでした。
ですがある日、とんでもない個体に出会ってしまったんですよね。
- CCDセンサー交換は今年の1月下旬(つい最近)
- シャッター機構等もその時にオーバーホール済み
- レザーも張り替え済み
- ボディにスレ、傷等ほとんどない
- しかも約39万円
私が見ていたいた限り、こんないい状態の個体がこの値段で出てくることはありえないことでした。
40万くらいのものは大体スレが激しく下地が見えていたり、CCDセンサーの交換がしてなかったり、していても数年前でその時の証明書がない、とかそんなものばかり。
それが、先日ドイツ本社で20万かけてフルオーバーホールしたばかり(証明書あり)、しかも外観めちゃくちゃ綺麗、で39万。
買わない選択肢はありませんでしたね。これ逃したら2度と出てこないだろうな、と。
いざ手に取ると「いやー難しい!でも楽しい!」
そんなこんなあり、早速M9を手に街に繰り出したんですが、ここまで思うような写真が撮れないとは!笑 まだ使いこなせてないので当然と言えば当然でしょうが、なかなか手こずっております。
ただ、そんな中でも時折出てくる画像にすでに魅せられているのも事実で。
なんでしょうね。度合いはバラツキがありますが「ライカのオーラ」みたいなものを感じるんです。人によっては「気のせいだよ」なんて言われるかもしれませんが、私自身が感じちゃってるんだからしょうがない。(レンズは「Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 Vintage Line Aspherical VM」を使用)
40万という値段はカメラにしたら決して安くはないし、この先欲しいレンズが出てくることを考えると目眩がします。
ですが、ライカ独特の色や質感を手に入れるにはこれしか方法がないので諦めるしかありませんね。笑
カメラに使われてるなんて言われないよう、もっと精進せねば。
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