今回は、今年で60周年を迎える老舗イヤホンメーカー「Westone」から発売された、Bシリーズ「B30」のレビューをしていこうと思います。
ちなみにBシリーズとは、人気のWシリーズが刷新され新たに追加された低音重視のシリーズ。B30はその中の下位モデルです。上位モデルはB50。
正直なことを言うと、私自身このような高級イヤホンの部類に属するモデルを聞いたことがないため、オーディオマニアの方たちからすると私のレビューは参考にならないかもしれません。
ですがその経験を逆手に取って「BOSE」や「SONY」「JBL」と言った一般に馴染みのあるメーカーのイヤホンを使っている人間が、初めて手にした高級イヤホンの感想という目線でレビューしていこうと思います。
なので、ゴリゴリのオーディオマニアの方は他の記事を参考にしてくださいね。笑
というわけでここでは、
- 製品レビュー
- 実際に聴いてみた感想
- エージングを行ったあとの変化
などについて書いていこうと思います。
Westone B30 実機レビュー
実際にレビューさせて頂けると決まった時はかなり嬉しかったですね。曲がりなりにもオーディオ機材のレビューブログを運営していて、こういった高級モデルを聴いてみたいという欲求は昔からありましたから。
さて、この「Westone B30」の概要はと申しますと、
- 低/中/高域のそれぞれに各1基ずつのバランスド・アーマチュア・ドライバを搭載した3Way構成
- MMCX端子を採用し、他のWestoneのイヤホンへのリケーブルが可能
- 銀の含有率が高く、減衰率の低いHigh-Definitionシルバーケーブル
- aptXテクノロジーの採用のBluetoothケーブル付属(最大8時間連続再生可能)
- メタリックブラック、メタリックオレンジの2色のフェースプレートが付属
- TRUE-FIT FoamイヤーチップとSTARシリコンイヤーチップの各サイズを同梱(計10種類)
- IPX4準拠の防沫対応
となっており、値段相応の仕様になっております。
「バランスド・アーマチュア・ドライバ?」「リケーブルって何?」という方は、こちらのイヤホンについての解説記事をご覧になってみて下さい。
イヤホンやヘッドホンの音質を左右するドライバーやコーデック、ハイレゾ、Bluetoothなどの基本を解説
続きを見る
中身を引き出すとイコライザーデザインが。少し高めのイヤホンやヘッドホンはこういう凝った箱が多いですね。
あとこのB30ですが、「ビジュアルグランプリ2019 SUMMER ライフスタイル分科会」を受賞しております。
同梱品が非常に充実している
- B30 ユニバーサルフィットイヤホン
- High-Definitionシルバーケーブル
- ワイヤレスケーブル
- フェースプレート2種類(ブラック・オレンジ)
- シリコンタイプのSTARチップ × 5セット
- フォームタイプのTrue-Fitチップ× 5セット
- ドライバー類(2本)
- 収納ケース
- 充電ケーブル
- マニュアル
こちらがイヤホン本体とHigh-Definitionシルバーケーブルです。高級イヤホンといえばこの編み上げケーブルですよね。(ちなみにLは青のケーブルで、Rが赤です。)
B30はリケーブルモデルですので、この付属のBluetoothケーブルに付け替えてワイヤレス化が可能。Westoneを愛用している方々の意見は「付属のケーブルより、バージョン2のほうが優秀」との声が多かったように思います。
といっても高音質かつ低遅延コーデックを実現した「aptX」を採用していますので、悪いものではないです。(バージョン2は、aptX HD対応)
イヤーチップはシリコンタイプとフォームタイプ各5種類づつ付属しています。
しかもよくご覧になっていただければわかると思いますが、ただ大きさが変わっているだけではないんです。大きいもの、細いもの、小さいもの、太いものと、バリエーションが色々あるんですよね。これだけあれどんな方でもフィットするものがあると思います。
こちらがフェースプレート。気分や好みで変えれるってのはいいですね。ブラックは本体についています。
フェースプレートを交換してみた
せっかくなんでフェースプレートを交換してみました。付属のドライバーを使ってビスを外して付け替えるだけです。
どうでしょう?ケーブルが黒の方がいい感じかも。
ワイヤレスイヤホン化してみた
先程も書きましたが、B30はリケーブルが可能ですのでこうやってイヤホン部分を外すことができ、好みのケーブルに付け替えることが可能です。早速付属のワイヤレスケーブル(バージョン1)に付け替えてみることに。
やり方は簡単です。ケーブルの先端をイヤホンのLRに合わせて差し込むだけ。ただ、ワイヤレスケーブルの方は抜く時にめっちゃ硬い。この部分に言及されている方も多かったのでそういう仕様だと思います。
なんか見た目普通のワイヤレスイヤホンになってしまいましたが。笑
充電はコントローラー部分から行います。充電中はインジケーターが赤く点灯。
ケースがまたいい
見て下さい。ケースがまたクールなんです。付属品が多いのでそれなりのサイズになってますが、造りは間違いなくいいです。安っぽさゼロ。
実際に聴いてみた
有線ケーブルで試聴した感想
音質に関して
期待に胸を膨らませ、まずは有線ケーブルの方から視聴してみました。
ですが、「ん?これがいい音なのか?」というのが最初の感想。音の分厚さは感じるけど気のせいか少しもっさりしている。低音重視の設定だとしてもこれはあまりにも違う感じが...
なので、一旦エージングをかけてみることにしました。60時間ほどかけたあと、イヤーチップを変えてみたり、プレイヤーを変えてみたリ、ハイレゾを聴いてみたりしているうちに「なるほどね〜」と、思わずニヤついてしまう音に。
全体的に言えばクリアなんだけど温かい音です。高音の伸びもいいのに尖ってないし、中音も効きつつ、低音に関しては下品さ皆無の柔らくて心地良い感じ。最新のEDMなんか聴けば当然音のメリハリが出てきつつ、バランスもいい。それでいて温かい音は優しくキープされている。
結論でいえば、最近のイヤホンのようなクリア重視の一見いい音に聴こえがちなイヤホンとは系統がまるで違います。やさしい低音で全体をほんとにやさしく包んでいる音がするイヤホンです。(最初に戸惑ったのは今まで聴いていたイヤホンとのベクトルの違いだったのかもしれません。)
少し落ち着いて音楽を楽しみたい方、温かい音を楽しみたい方にはうってつけだと思います。なので好みが分かれるといえば分かれるかもしれませんね。
あとB30は「低音重視」と謳ってますがガツンと来る低音ではないので、「低音の質にこだわった」という意味かもしれません。
装着感や遮音性など
B30は耳掛け型ケーブルの形状になっています。SHURE掛けともいいますね。なので普通のインイヤーやオンイヤーとは比べるまでもなく、安定性は抜群。
それに加え付属のイヤーチップが10種類(シリコン、フォーム各5種類)ありますからね。問題なくフィットするチップが見つかると思います。
ワイヤレスケーブルで試聴してみた
さて、次にワイヤレスいってみようと思いますが、プレイヤーとイヤホンのコーデックが揃ってないと本領発揮とはいきませんから注意してくださいね。ちなみにB30に付属しているワイヤレスケーブルは、SBC、aptX、ACC対応です。
SONY NW-A55(aptX)
まずはソニー ウォークマンのAシリーズです。aptXにも対応していますのでコーデックの組み合わせは問題ありません。(B30がLDACに対応していればもっと良かったんですけどね)
聴いてみた感じ普通に良い音出てます。びっくり。ワンランク落ちるまではいってませんね。
どうにもこだわる方は有線のほうがいいのは間違いありませんが、ワイヤレスがいい方はこっちでもいいと思います。
iPhone XS(ACC)
プレイヤーとして多数の方が使うであろうiPhoneのコーデックはACCです。ケーブルもACCに対応していますので問題ありません。
聴いてみた感じ、まあ問題なしと言う感じ。当然有線には劣りますが、使い勝手を優先したならワイヤレスでもOKだとおもいます。
OnePlus6T / Android(aptX)
OnePlus6Tは、aptX対応。気のせいではないと思うんですが、iPhoneよりいい音で聴こえますね。気のせいかな?
結論:「Westone B30」は温かい、優しい音で包み込む高級イヤホン
「これが高級イヤホンの音かぁ」と、なんとなく腑に落ちた感じがしました。
他の方のレビューを読んでいても一律に「温かい音」と書いてあるんですが、ほんとうにその表現がぴったりだと思います。
そこで勘違いしないでほしいのは、温かいといっても古臭い音という意味ではありませんからね?音のクオリティが高いのにも関わらす、どこか優しい音にまとまっているという意味です。
それにしても18万近くするW80はどんな音がするんだろうか。気になる...
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