タトゥーってのは私にとって身体の一部だし、それ以上でも以下でもありません。
ファーストタトゥーを彫ったのは20歳とき、理由は単純でカッコいいと思ったから。20歳のときっていうのはその歳にならないと保護者の承諾が必要だったから(私が彫ったスタジオは)。
それ以来、今でも身体のあちらこちらに新しいタトゥーを彫り続けています。
タトゥーへの考え方やエピソードを掘り下げるこちらの企画。この記事を読んでいるあなたはきっと
- タトゥーを彫りたいけど迷ってる
- タトゥーを彫った事を後悔している
のどちらかなんじゃないかな?実際に彫っている人は人のタトゥーに関して興味を持つって方、少ないと思うし。
そんなあなたへ私が1つだけ言えることは「彫ることに少しでも迷うのならば彫るな。入れたことを少しでも後悔してるなら消せ。」
それだけ。
ほんの少しでも人目を気にする人がタトゥーを彫ってしまうと、日本という国はあまりにも住みにくい。私はそう感じています。そのリスクを覚悟の上で、それでも彫りたいのであれば、10年以上タトゥーに関わっている身としていくつかお伝えしておきたい事があります。
タトゥーとの出会い
学生の頃から好きだった音楽はロック全般。自身でもコピーバンドをかじったり、友人のライブを観にライブハウスへ足を運んだり。海外のメロコアやハードコア、パンクと当時は様々なバンドのCDやDVDをディグしていました。
同時に大好きだったのは、"ジャッカス"というMTVの番組。シリーズ化し、映画にもなっているのでご存知の方も多いはず。いい歳こいた大人が体を張ってバカやるくだらない番組なのですが、そんな作品に今でも影響を受けているんですから笑っちゃいますよね。
あいつら、罰ゲームで新しくタトゥー彫っちゃうくらいアホなんですよ。見ていて清々しいです。
そんな音楽や映像を通して、「人目を気にせず自分が思うままに生きること」に強烈な憧れを抱いた私がタトゥーへの興味を持ったのはごくごく自然な流れで、私が好きなものには必ずタトゥーカルチャーが付きまといました。
音楽・スケート・ファッション…
大好きなファッション関係の仕事をしている今もタトゥーのことが好きですし、今後も関わっていくでしょう。
タトゥーを彫ることを決めた理由
「タトゥー=カッコいいもの」
私にとって理由はそれだけで十分。特別な美談も決意もありません。
それでも彫ることにまったく躊躇しなかったといえばウソになります。
- 一生消せない
- ダサいと感じる日が来るかも
- 人目が気になる
- 親が悲しむ
- 結婚したら?子供ができたら?
でもどうにでもなるっしょ。消したくなったら消しゃいいし、そんなもん彫ってから考えるわ。決めたことは絶対に実行しなければ気が済まない性分の私は、何を彫るか考えたあげく腰に好きな言葉を彫りました。
1度彫っちゃえばあとは何事もないように自然と増えていくだけ。両腕・鎖骨・脇腹・・・
腹が減ったからラーメン食う、タトゥー彫りたいから新しく彫る。気の利いたカッコいい言葉や、タトゥーを彫りたいあなたへの後押しになるエピソードを期待した方には残念かもしれませんが、私にとってはそんなもんです。
タトゥーが好き。他に理由は必要ありませんでした。
中途半端な興味ならば彫るな
彫りたい理由は人それぞれあるでしょう。
- 人生の節目
- 大切な記念日
- 興味が湧いた
- 友人やパートナーと
- 強くなりたい
でもそれってわざわざタトゥーにする必要あるのでしょうか。
彫るための理由を無理矢理つけてない?
彫らないと忘れちゃうくらい薄っぺらなもんなの?
タトゥーを彫ることに理由や意味を求めるくらいなら最初からやんない方が身のためです。
タトゥーを彫ることに少しの疑問も持たず、リスクを受け入れた上で彫るのならいいでしょうが。
タトゥーに対する日本の厳しい態度と偏見
タトゥーというフィルターを通して私が見た日本。いじめやパワハラがなくなることはないだろうなと毎度感じさせられます。
差別的な意見が常態化
SNSなどで度々話題になるタトゥー問題。
最近もりゅうちぇるに関して一悶着ありましたし、タトゥーをめぐる裁判が話題になっていますね。彫っている本人たちは、周りの人間以上に何も思っていないんでしょうけど。
私も彫っている身として気になる話題には目を通しますし、ごちゃごちゃ言ってくるヤツには面白半分で噛みつく事もあります。でも正直どうでもいいんですよ。
我々は法を犯して彫っているわけではありません。好きなことをやっているだけ。
- 公共施設に入れなくなる
- 子供がかわいそう
- 怖い、迷惑、不快
- 日本人には似合わない
そんなもんおまえにゃカンケーねぇだろと。言ってることが何ひとつ筋が通ってなくて幼稚。
でも、もしかしたら本当に心配してくれてるのかもしれません。「ありがとう、参考にします」と我々タトゥー愛好家が大人になって受け流すぐらいがちょうどいいのかもしれませんね。
日本人はいじめ体質
何かあるたびに集団という陰に隠れ、己の正義を振りかざし石を投げつける日本人。これはもう小さい島国特有の国民性なんだと割り切るほかないのかもしれません。
子供の頃に道徳の授業で習った「差別はダメ」「いじめはダメ」「人権学習」あれってなんだったんでしょうか。大人になってもいじめやパワハラをする大人が減らないのですから。
歯磨きするのを嫌がる子供が駄々をこねるように、嫌だ嫌だと暴言を吐き散らすタトゥーへイターたち。彼らを見ているとなんだか哀れにも感じます。
そりゃいじめんなんか無くならねーよと。子供にいくら教育したところで、教える大人がダセェことやってるんだもん。
世界がグッと近くなる2020年、日本は世界にどんな態度を示すのでしょうか。
私の身の回りに起きた変化
世間の風当たりやネット上で叩かれることは理解してもらえたかと。公共施設に入れないことは私が今さら云うまでもないでしょうから、その他に変化したことを考えてみます。
変な奴が近づいて来ることがある
普段タトゥーを出して歩き回っているわけではありませんが、ふとした時に彫っていることが明るみになるシーンがあります。そんな時に極々まれにいるのが
- おれも彫ろうと思ったんだよね
- おれの友達がゴリゴリ彫っててさ~
- 誰々さん知ってる?
とか言って来るやつ。嘘だと思うでしょ?ほんとにいるんですよ、こういう奴(笑)
日本ではどうしても反社会的なイメージが拭えないタトゥーに対する反応は、批判的な意見だけでなくこういった変なヤツも呼び寄せてしまうことがあります。今となってはありませんが、20歳くらいの時はまれにありました。
タトゥーを持った友人が増えた
類は友を呼ぶってヤツでしょう。ファッション業界に身を置いていることも理由の1つにあるでしょうが、タトゥー持ちの友人は明らかに増えました。
だからと言ってお互いのタトゥーに関して語ることはないですし、彫った絵の意味なんかヤボなこと聞くことも聞かれることもありません。
あくまでも個人の趣味ですし、楽しみの1つ。見せびらかす人なんかほとんどいないと思います。
生活に支障が起きたことはない
私は自身のタトゥーと付き合ってきた中で、ハンデに感じたことはありません。温泉ぐらい。
保険にも入ってるし、病院で検査もしてもらえる。
実生活に害を及ぼしたことはありませんし、面と向かって文句を言われたこともありません(妻くらい笑)。
陰口を叩かれているのかもしれませんが、私は全く気にしていません。
しかし、ちょっとでも他人の目が気になるのであればやはり彫るべきではないでしょう。
それでもタトゥーを彫りたい方へのアドバイス
社会的に市民権を獲得していないタトゥー。その事実はわかっていただけたと思いますが、それでも彫りたいとうスキモノに、せっかくなのでちょっとしたアドバイスを。
タトゥースタジオは怖くない
本当は彫りたいけどタトゥースタジオという非日常的な空間に1歩踏み込めないという方も多いと思います。彫師・アーティストは怖いんじゃないかというイメージがあったり、おっかない人たちが出入りしてるというイメージをお持ちの方も多いかと。
実際のところはそんなに怖くありません。今まで2つのスタジオを利用しましたが、イメージほど怖くはなかったです。
見た目は全身タトゥーだらけのいかつい人が多いので最初は圧倒されるかもしれません(笑)
まずは電話予約後に、どのような絵を彫るかカウンセリング→絵をおこすことからスタートするので勇気を出して電話してみてください。すでに知り合いが利用していたら敷居は下がりますね。
彫る絵のイメージはしっかりと伝えること
彫りたい絵のイメージは、しっかりと伝えましょう。タトゥーは一発勝負。彫ってしまったら修正できませんからね。 正確にはタッチアップやカバーアップなら出来ますが。
もし使いたい絵があれば切り抜きやデータとして持ち込んでください。対応してくれます。
私がはじめて彫った時はイメージを伝えるのに苦労したんですが、最近はウェブサイトやInstagramに参考画像が豊富に揃うので困ることはないと思いますよ。
最後に|日本でタトゥーを認めてもらおうと考えないこと
ここまで語ってきた通り、私にとってタトゥーとは特別なものではありませんし、重いものと捉えていません。
しかし日本ではそう考えない人が多いのも事実。少なくとも2019年現在では。
今後タトゥーがこの国で受け入れられる日が来るかもしれません。ですがそんなもの期待して何になるでしょうか。
日本でタトゥーを彫るとはそういうこと。
彫物を身体に施すというのは、すべて自己責任。ほんの少しでも迷いがあるのならば絶対にやめた方がいいと断言できます。
人生とは選択と決断の連続。そのプロセスにおいて、人の意見やアドバイスに流されてしまうような人が彫ってしまったら、あとあと後悔する日が来るでしょう。
そんな事を理解した上で、それでも私は彫り続けます。emotionalに浸ることもなく、ただ自分が好きなものを楽しみたいという思いだけで。
このコラムを書いた人
GOOFAM。セレクトショップに勤務。ブログ「GOOFAM」を運営。
あなたのタトゥーへの思いを書いてみませんか?
現在「LIABLIFE」では、タトゥーに関するコラムを執筆してくれる方を募集しています。
「タトゥーへの思い」「入れたきっかけ」「発信したいことがある」などなど、内容は自由に書いて頂いて大丈夫です。
少しでも興味がある方は、是非ご参加ください。
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※ 僅かながらですが謝礼もご用意しております