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Real Street Fight

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俺らがイベントを主催していた頃は、今に比べるとまだまだイベントの数自体が少なかった。だから、どこぞのエリアで新しいレギュラーが始まったと知れば、とりあえず遊びに行っていた。偵察を兼ねて。

ある時、隣町に金をかけてビッグなゲストを毎月呼んで、常にオオバコを満パンにするような連中が現れた。年で言えば3つくらい下だったかな。いままで色んな連中を見てきたが、明らかに毛並みが違った。一言で言えば「不良」だ。

当時は、HIPHOP=不良の構図がチョットずつ認識されてきた頃で、あからさまな不良はまだまだ少なくかなり目立っていた。クラブの前でバタフライナイフをチャカチャカやって遊んでたり、ナックルなんかも持ち歩いてるような連中だった。

自分で言うのも何だが、俺達も不良カラーだったので同じ地元ということもありすぐに交流が始まった。コッチのイベントにゲストとして彼らを呼び、彼らのイベントにも呼んでもらったりして。そんな感じで徐々に仲良くなっていった。

とはいってもそのクルー本体とはよく話すようにはなったが、その連れや取り巻きとは無関係のままだった。

これはしょうがないことなんだが、やはりイベントを打つ側や出演者側と、タダの客とでは温度差がすごい。元々視点が違うので、中途半端な距離じゃ仲良くなろうにもなかなか難しい。時代的にも一番過激な時期だったのもある。「お前らほんとにHIPHOP好きなのか?喧嘩したいだけだろ」って感じの奴らが沢山いたからね。

 

 

ある日いつものようにその仲良くなったクルーのイベントに遊びに行った。いい感じに楽しんで、「そろそろ帰るか〜」ってな感じで「また来るわ」と挨拶を済まし出口に向かう。

だがその時は、どうにも小便がしたかった俺は自分だけ先に出た。(クラブの便所は汚いから嫌い。手掴まれるし。笑)

小便も終わり、タバコを吸いながらツレを待っていたが、全然来ない。待てど暮らせどいっこーに来ない。

(何やってんだよ…)と思い引き返すと、ツレがガラの悪い連中(恐らくそのクルーの仲間)十数人に囲まれていた。

しかも何やらツレがキレまくっている。

「あっ、そういうことね」

スイッチオン!

ちなみに、こういう時は頭より先に体が反応する。

「おい、どうしただ!」

そんな風には近づかない。

そのまま助走つけて飛び蹴りかまして、横にいた奴の襟を掴んで引き倒した。先手必勝ってやつだ。

すると奴らも慌てて臨戦態勢に入った。バトル開始だ!

数で言えばざっと数えても十人くらい奴らのが多かったが、幸いにもその頃筋トレをしてて腕っ節には自信があった。力任せに手当たり次第ぶん投げてった。殴ったってK.Oなんかできないからね。格闘技やってるわけでもなし。だから手当たり次第ぶん投げる。しかもこれは結構有効なのだ。基本後ろに引き倒す。本気で引けば大概倒れる。そして足元に転がってきたところで顔面蹴る。ひたすら蹴る!

その間も隙を見てツレの状況を確認していた。すると、ツレの一人がボクシングやってます系の奴にボッコボッコに殴られていた。でも助けたくても手が回らない。投げた奴はすぐにキレながら起き上がってくるから気を抜くとコッチがやられてしまう。

その時(あれ!そいえばあいつは大丈夫か?)と細身のツレのことが気になって辺りを見回したら、乱闘には参加しておらず野次馬の中にいた。これには本当にビックリした。仲間が圧倒的不利な状況でやってんのに野次馬かい!って。笑
そして(やられるのも時間の問題か…)って時に、奴らの中から声がした。

「やめろ!おい!やめろやめろ!」

みるみる奴らが引いていく。

(なんだ?)

そう思いながら奴らと距離をとると、そいつは俺に話しかけてきた。

「S君の友だちですよね?」

S君とは、そのイベントの仲の良いクルーより更に1ランク上の不良DJだ。年の功で、俺はそいつとも繋がっていた。

(なんで知ってんだ?)

内心そう思ったけど、同時に

(これは助かるかも…)

とかなり期待した。笑

 

でもここで「そうだけど?」なんていったらカッコつかないから、

「だったら何だ。あ?」

取り敢えずカマしてみた。するとそいつは、他の連中と違って完全に目が座っていて本物のニオイがプンプンしていた。

(おっと…こいつあかんやつや…)

内心そう思いながらも、目を外さずにいると、

「こいつら知らなかったんで。この辺にしときませんか。」

そう言ってきた。

(助かったぁ… )

心のなかに安堵が広がった。笑

 

え?キレないのかって?バカだな。引き際ってやつを考えないと取り返しの付かないことになるんだよ!

 

そっからなんでこうなったか両者で火種を探っていったら、出口付近で俺のツレが奴らの一人に押されて、キレたとの事だった。

もちろんあっちは喧嘩売る気でそういうことやってきたのは見え見えなので、ツレがキレたのは正解だ。ナメられたら終わりだからね。

その当事者2人は「テメーのせいで(ゴールド)チェーンが切れたぞ!どうしてくれるだ!」なんてまだ揉めてたけど、ココで帰らなきゃやられるだけなので、そいつをたしなめてその場を離れた。

 

不思議なもんで圧倒的不利な戦いをした後は、殴られてようと凄く気分が良かった。数にビビらない自分が誇らしかったんかな。

 

俺「お前ボクサーにボコボコ殴られとったな笑」

ツレA「笑い事じゃねーわ!何発殴られたと思っとるだ!あいつムカつくわ〜!」

俺「おい!そういや何で入ってこんかっただ!」

ツレB「え?バレてた?笑 だって相手めちゃめちゃ多かったやん!笑」

ツレA「なんだそれ!お前いっぺんあのボクサーに殴られてこい!マジでむかつくわ〜!」

みんな(爆笑)

「人脈って大事だな」「ちげーねえ!」

みんなで笑いながら帰ったとさ。

おしまい。

※ この物語はフィクションです。

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